ホラー

【ブラックシープ】観終わった後、なぜか笑顔に。もこもこ羊の傑作アニマルホラー

どうも。おのじ(@ozy_san_0624)です。

未体験ゾーンの映画たち2020で、『ブラックシープ』を鑑賞しました。

(C)Live Stock Films Ltd MMVI

てっきりトンデモ映画かと思って、ある意味ワクワクしながら観たのに、なんだこの傑作は。

ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で、最高賞を受賞しているのも伊達ではありませんでしたよ。どうして今まで日本公開されなかったんだろう。

ゴア描写の生生しさも、羊が狂暴化する描写もとても良いし、CGではなく本物をベースに撮影する所にも拘りを感じますし。

何より笑える!これが一番。

これは未見のホラー好きさんにぜひ見て頂きたい一品です。

おのじ
おのじ
※ネタバレがあるので、未見の人は注意!

あらすじ

ニュージーランドののどかな牧場を舞台に、遺伝子工学によって生み出された殺人羊の大群が巻き起こす惨劇を描いたアニマルホラー。農場で生まれ育ったヘンリーは、とある事件によって羊恐怖症となり、実家を離れて暮らすことに。それから15年後、実家での静養を勧められたヘンリーは久々に帰郷するが、そこでは兄アンガスが羊を使って恐ろしい遺伝子操作実験を行っていた。そんな中、無思慮な環境活動家が突然変異した羊を農場に放したことから、何千匹もの羊が血に飢えた捕食動物へと変貌してしまう。

引用:映画.com

 

怒れる4000万頭の羊たち…がCGじゃない?

出典:IMDb

遺伝子改造で狂暴化した羊が人間を襲うというストーリーの本作。

牧場が舞台なので、当然ながら、それはそれは多くの羊が出てきます。もっこもこで目が幸せ。

羊に対してトラウマを持っている主人公ヘンリーにとっては、地獄でしかないんですけどね。

ちなみにヘンリーが羊恐怖症になったのは、兄アンガスのせい。

ヘンリーが子どもの頃に可愛がっていた子羊を、アンガスが殺して皮を剥ぎとってしまい、それを目の当たりにしてしまったからなんですね。

兄の発想がサイコすぎる。可哀そうなヘンリー。

 

 

さて、この羊の大群ですが、実はCGではなく本物の1000頭の羊で表現されているそうで。それがまずすごい。

おのじ
おのじ
撮影、大変そうだわ…。

本物の羊たちがごった返して、タクシーが動けなくなってるところなんて壮観です。これは羊好き女子にもおすすめかもね。めっちゃゴア描写あるけども。

そういえば、劇中でタクシーの運転手が「羊が通り過ぎるまで待つしかないよ」なんて平然と言ってたけど、こういうのってニュージーランドではよくある光景なのかしら?

演技する羊と、アニマトロニクス

そして要所要所では、何匹かの調教された羊と、アニマトロニクスの羊が出演します。

まずアニマトロニクスってなんだ?ってところですが、

さとみ
さとみ
アニマトロニクスとは、ロボットを人口の皮膚で覆って、リアルな生き物を表現する技術の事です。映画『ベイブ』に登場する動物たちもこの技術で表現されているんだそうですよ。

そのアニマトロニクスが、今作でも使われています。

ただちょっとクオリティが高すぎて、どれが本物の羊で、どれがアニマトロニクスの羊なのか、はっきり分からない。

そのくらいリアルです。

 

おそらく、ヘンリーと仲間たちを、ちょっと離れたところからじっと見て佇む羊とかは、調教された羊だと思います。

ちなみにこの佇む羊の醸し出す不穏さ、すごく良かったですよね。

実際は羊が演技するってことはないんでしょうけど、そうみせる演出が素晴らしいというか。羊が立ち止まってからの間とか、絶妙でした。

出典:IMDb

ちなみに、アニマトロニクスは、『ロード・オブ・ザ・リング』、『ホビット』の美術を手掛けたWetaワークショップが制作しているということで、クオリティが高いのも頷けます。

設定が一見トンデモなのに素晴らしい映画に仕上がっているのは、この羊たちのリアルさが一役も二役もかってると思うんですよね。

 

私、あまりセットとかには詳しくないのですが、アニマトロニクスとCGって、どっちが手間とお金がかかるんだろう。下世話な話だけど。

素人のイメージでは、ロボット準備して細かい動作をつけて…の方が大変そうな感じがするけど。どうなのかしら。

かっこいいじゃん、羊人間

遺伝子変異した殺人羊に噛まれると、無害な羊が殺人羊になり、その殺人羊に人間が噛まれると、あら不思議。羊人間になります。

このゾンビよろしく変化する「羊人間」。もちろんこれもCGではありません。

 

このクリーチャー、とても心高まるビジュアルをしているんですよ!

ファンタジー映画にモンスターとして出てきそうな、迫力の見た目。だけどもこもこもちゃんとついている。

恐ろしいけどちょっと触ってみたい。そんな欲求を刺激してくれました。

 

実はこの羊人間、操作するのに4人がかりという話もあり。

4人も中に入っているのか(それはないか)、4人で羊スーツを外から操作するという事なのか、はたまたこの羊人間もアニマトロニクスなのか。

それは定かではありませんが、4人必要なだけあって良い動きだったなぁ。そして良いガタイしていて、ちょっとカッコいいなと思ってしまった。

 

羊の群れのシーンといい、調教された羊の出演といい、アニマトロニクスといい。

本作では実写であることへのこだわりと情熱が半端じゃないですね。

 

ブラックシープの一番の魅力はストーリー?ゴア?いやいや笑いのタイミングです!

出典:IMDb

本作は、観終わった後に何故か元気が出る映画です。

その理由って、一体何なのだろう?

 

ぱっと見、「怒れる羊がテーマのホラー」って、トンデモ映画感が漂うじゃないですか。

だけどゴア描写が(意外と)生々しくてちゃんとホラーだし、上述したように、本物の羊の群れやアニマトロニクスを使った殺人羊の描写、羊人間の迫力も素晴らしい。

実際は、かなりクオリティの高い映画だと思います。

 

そんなハイクオリティな中で、「え、ここでそれやる!?」というタイミングで差し込まれるコメディ要素こそが、本作を傑作たらしめているのでは?と思います。

おのじ
おのじ
ギャップに惹かれるというやつ。

そしてコメディ部分には登場人物達のトンデモな性格や設定が一役も二役もかっていて、ただただエキセントリックなキャラクターだったわけじゃないんです。

彼らの個性が、めっちゃ笑いに生かされてます。

 

例えば、スピリチュアルにかぶれている環境活動家のエクスペリエンス。彼女が腐った血肉の海へ落ちた時に、心を落ち着かせる作用のキャンドルを焚くシーンとか。

人間を喰いまくり、放屁しまくる羊の群れに主人公達が火を投げ込み、爆発させるシーンとか。

殺人羊たちに襲われて逃げ惑う人々の中から、絶妙なタイミングで聞こえてくる、「食べられるよ~!」という日本語の悲鳴とか。

主人公兄弟が昔からお世話になってるマック夫人。実は猟銃をぶっ放すような、エキサイトおばあちゃんだったりとか。

おのじ
おのじ
ぷっ(笑)

 

ブラックな要素も込み込みで、爆笑じゃないんだけど、「ふふっ」とこっちの笑いを誘ってくるんですよね。

そんなこんななので、観終わった後に爽快感が残るんだと思います。

ちょっと幸せもらった感すらある。(注:アニマルホラー映画です。)

 

私はたまたま仕事で疲れてた時に観てたんですが、思いがけず笑いで癒されましたものでね。

これはぜひ、同じく世の疲れたホラー好きさんたちに観て欲しいです。

おわりに

以上、『ブラックシープ』のレビューでした。

世界初公開から13年もの時を経ての日本公開ということでしたが、この面白さ、本当に見れて良かったと思える映画でした。

ホラーファンの間でカルト的人気を誇るっていうのが、すごく分かるので、おすすめです。

金曜の夜は、チューハイ飲みながらこれで決まり!

おのじ
おのじ
それではまた~。

 

作品情報

原題 Black Sheep
製作年 2006年
製作国 ニュージーランド
上映時間 87分
監督 ジョナサン・キング