映画

【ブロック・アイランド海峡】理解も抵抗もできない現象を楽しむSFホラー。

おのじ

どうも、おのじ(@ozy_san_0624)です。

ネトフリで『ブロック・アイランド海峡』を見ました。

謎が多く、怪現象にひたすら翻弄される内容の本作。好き嫌いが分かれそうだな~、と思いつつも、私の好みには見事ヒットした作品でした。

静かに絶望していくしかない展開が好きなんですよね。

ストーリー同様、演出も暗めで静か。そして現象が起きるときの不快な効果音が、だんだんBGMに変化していくのが無性にカッコ良い映画でした。

こういう、謎多い系のホラー映画にしては、考察を見なくてもなんとなくわかる内容になっているのもポイント高かった(ありがたかった)です。

とうわけで今回は、『ブロック・アイランド海峡』の感想を書いていきます。

激しくネタバレしています。未見の方はご注意ください。

ブロック・アイランド海峡:あらすじ

ある島で野生動物が原因不明の大量死を遂げる不吉な現象が発生。謎の力により命の危険にさらされた漁師の家族に、戦慄の恐怖と恐るべき真実が襲いかかる。

引用:Netflix
おのじ

今回は初っ端からネタバレ全開で書いていくので、未見の方は注意してね!

舞台はブロック島。そこで漁師の父と一緒に暮らす青年ハリーが主人公です。

ブロック島では最近魚や鳥の大量死が続き、その現象と同時に父の様子もおかしくなっていることにハリーは気づきます。

父は夢遊病のように夜な夜な船で海に出て朝に帰ってくるのですが、本人はそのことを覚えていない様子。

そんな日が続いたある朝、ついに父は遺体となって浜辺に打ち上げられました。

警察は事故と判断しますが、船内が荒れていたことからハリーは殺人事件と主張。そして手がかりを求め、海に潜ります。

海中で黒い靄のようなものに包まれてしまったハリー。そのまま気絶し、気づくと船の甲板で倒れていました。

その日から、父と同じような症状に悩まされるハリー。父の幻覚が見え、記憶が途切れる事が増え、気づくと朝に船の上で目が覚めるようになります。

記憶がない間、ハリーは父の幻覚に要求されたもの(動物)を連れて海に出ていました。そして動物もろとも空に吸い込まれていき、しばらくしてハリーだけが空から船の上に落ちてくるのでした。

ハリーを心配した姉のオードリーは、彼を病院に連れていきます。ですがそこで下された診断は、電磁波過敏症という納得できないもの。

過去に同じような症状を持ち、町から離れた男性がいると医者から聞いたオードリーは、その男性に会いに行きます。

男性は人里離れたところで暮らしており、オードリーに「奴ら」の事について話します。

「奴ら」は幻覚を見せて人を操る。小さいものから要求し、だんだんと要求は大きくなっていく。お前の弟は奴らの乗り物だ。その場から離れるしかない。

鬼気迫る男性の様子に、思わず逃げ出すオードリー。

オードリーが男性を訪ねている間、「奴ら」の幻覚に操られ、姪のエミリーをさらって船に乗り込むハリー。オードリーも間一髪で船に乗りこみます。

船を発進させ、いつもの場所で止まったハリー。

ハリーとオードリーは空に吸い込まれていってしまいます。そしてしばらくして、オードリーだけが空から戻ってくるのでした。

ブロック・アイランド海峡:感想

あらすじでは「恐るべき真実が襲いかかる」と書いてありますが、最後まで見ても恐怖の正体は明らかになりませんでしたよね。

謎の多い終わり方をする作品って、「まっっっったく意味が分からないんですけど!時間返して!」というもの、「意味が分かるような分からないような。でも面白い。考察サイト廻ろう!」というものまで、いろいろあります。

本作は詳細は語られませんけど、「人知を超えた者が存在しているよ。こんな目的で現象を起こしているんだよ、多分ね!」くらいのニュアンスで、大事なところはわかるようになっているのが良かったです。

抵抗のできない恐怖。少しずつ絶望してゆくストーリー。

本作は最初から最後まで、主人公たちが怪現象や「奴ら」に立ち向かう事ができず、ただただ理不尽な出来事に翻弄されていました。

当事者のハリーはもちろん、手がかりをつかんだオードリーも流れを止める事はできず、「奴ら」の思うがまま。辛い。

ラストは今度はオードリーが「奴ら」の乗り物になるんだろうなぁ…と示唆される形で締めくくられています。

結果的にはSFホラーというジャンルになるんでしょうけど、序盤から中盤まではSFなのかオカルトなのか、判断がつきませんでした。

おのじ

主人公たちと同じく状況がつかめなかったから、知らないうちにハリーやオードリーに同調して見ちゃったよね。情報整理するの、ちょっと楽しかったかも。

むびこさん

おのじさん、映画見ながらものすごい勢いでメモ取ってましたね。

確かなものが一つもない中で、状況が確実に悪くなっていく。それに抵抗もできず、少しずつ絶望していくしかない。

静かで不穏さを感じさせる演出もあいまって、そんな内容がとても良きでした。

決して派手ではないんですが、ざわざわとした不安感が現実になっていく様子がたまらない。

おのじ

私の好みドストライク。

ラスト、オードリーの言葉にじんわりと納得

ハリーの姉オードリーは、海棲生物の調査・研究をしています。

そのオードリーが、捕まえたカエルを逃がしたくないと言う娘のエミリーに、こんな話をしていました。

ママたちが捕まえた魚は、2,3日で海にかえすの。研究してるのよ。どんな生き物かよく知るためにね。そしたら助けられるから。

捕まえるっていうとおっかなく聞こえるけど、勇敢な魚たちを何匹か捕まえて調べる事で、他の仲間を助けることになる。だから、良いことなのよ。

引用:ブロック・アイランド海峡

この言葉が本作の謎のすべてを物語っていますよね。

オードリーがこのセリフを言った時に「ん?もしや…」とは思いましたが、ラストにも再びこのセリフが出てきて、やっぱりねと。「奴ら」の目的に確信が持てた瞬間でした。

「多くを助けるという目的のためには、仕方のないこと」という理由で、ほかの生物を捕獲・研究する人間。そんな人間たちが、いざ研究される側になったら?

むびこさん

いざ自分の立場になってみると、仕方ない!とは言えませんよねぇ…。

おのじ

わたしゃ絶対やだね…。

疑問はのこる

ストーリーも比較的わかりやすいですし、謎投げっぱなし!的な作品ではないので、個人的に好きな本作。

ですが疑問も多少残ります。ほんのちょっとだけ。

作中での「奴ら」は、調査の対象が小さいものから大きいものへ変化していきます。魚や鳥、犬、鹿、そして最後は人といった具合に。

で、ハリーが現象について調べている時に、この現象は他の地域でも起こっていたことが分かります。ハリーのオカルト好きな友人が、「過去にも魚や鳥の大量死があったんだぜ~!」と教えてくれるのです。

おのじ

てことはさ、「奴ら」は何回同じ生きもの調査してるの?

別の場所でも色んな生き物をさらって調査してたと思うんですけど、別の地域でも魚や鳥が大量に死んでいるとなると、最初から調査しなおしているということですよね。これはなんでなんだろう?

おのじ

どうでも良いんだけど素朴な疑問。

私は学問の分野に疎いから分からないけど、地域性とかを調べるためなのかしら?

それから、魚や鳥は海や空から勝手にさらうのに(しかも大量に)、なぜ犬や人間は無差別に攫わないんだろう?という疑問。

犬や人をさらうときの奴らの方法が、すでにさらった人物を幻覚を見せて操り、目当ての対象を攫わせるというもの。この方法、めちゃくちゃまわりくどくないですか。

作中ではその操られる人物がハリーになるのですが、当然必死に幻覚に抗います。「奴ら」の立場からすると、ターゲット1体確保するのに、ものすごく時間がかかってるわけです。

魚や鳥みたいに、町ごと吸い込んでしまった方が話が速いのでは?なんて思ってしまいました。

もしくは、幻覚に抵抗するハリーすら、調査の対象だったのかしら…。

さいごに

以上、『ブロック・アイランド海峡』の感想でした。

BGMも少なめで、不穏さと緊張感のバランスが好きだった本作。主人公の消耗ぶりに、見ているこっちも消耗してました(笑)

「奴ら」の正体は宇宙人か何かかな、なんて思いますが、ビジュアルを見せるわけじゃないのがまた良かったですよね。多分、姿形をみてしまったら、一気に興ざめしてしまったと思います。

おのじ

ホラーにありがちな、「なんか思てたんとちゃう…」的なあの感じね。

てっきりNetflixオリジナルかと思っていたんですが、違うんですね。

配信終了になる前に見れて良かった~。

作品情報

原題 The Block Island Sound
製作国 アメリカ
製作年 2021年
上映時間 99分
監督 ケヴィン・マクマナス、マシュー・マクマナス