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【ドラキュラ】20年ぶりに見るコッポラ版ドラキュラの愛の物語。

かなり久しぶりに、実に約20年ぶりくらいに、『ドラキュラ』を鑑賞しました。

若きウィノナ・ライダーやキアヌ・リーヴスが出演。

そしてドラキュラ役はゲイリー・オールドマン、ヘルシング教授役はアンソニー・ホプキンスという、超・超・豪華な顔ぶれのコッポラ監督作品です。

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今回は、このフランシス・フォード・コッポラ版『ドラキュラ』について、感想を書いていこうと思います。

あらすじ

15世紀中頃、ワラキアの王ヴラド・ドラキュラ公(ゲイリー・オールドマン)は、トルコ軍との戦いで奇跡的な勝利をおさめるが、最愛の王妃エリザベータ(ウィノナ・ライダー)は、王の戦死の誤報を聞き、城砦から身を投げた。ヴラドは怒り狂い、神への永世の復讐を誓った。1897年、英国人の青年弁護士ジョナサン・ハーカー(キアヌ・リーヴス)は、トランシルヴァニア地方にある城へやって来る。彼の前任者の同僚レンフィールド(トム・ウェイツ)は、この城で発狂してしまった。城で彼を待っていたのは、ドラキュラ伯爵(ゲイリー・オールドマン)という老人だった。

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さっぱり思い出せない内容

(C)1992 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ストーリーやキャストが全く思い出せないのに、シーンの断片だけが強烈に印象に残っている。そんな映画ありませんか?

このコッポラ版の『ドラキュラ』は、私にとってまさにそんな映画でした。

20年近く前なので、鑑賞当時の私は学生だったかな?(時の流れ…)

そんな初心で鼻たらしだった私の頭に、ドラキュラが乙女を襲うシーンの妙なエロティックさや、吸血鬼に変貌した女性がヘルシング教授たちに倒されるシーン、そして独特で美しい衣装が、ずーっと焼き付いていたんですよね。

再鑑賞したいけど、分かっているのはドラキュラ伯爵を題材にした作品ということだけ。

あれは果たしてどの監督のドラキュラ映画だったかしら?映画.comで調べてみよう。あらやだ、検索結果20作品。んへぇ…。

なんて思っていたところに、たまたまNetflixで配信されていたコッポラ版ドラキュラを再生したところ、「あ、これだわ。」と。

というわけで、20年ぶりに鑑賞してみました。

コッポラ版ドラキュラの好きなところ

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コッポラ版ドラキュラって、こんなストーリーだったのか~というのが第一印象(第二印象か?)でした。

おおまかなストーリーはこちら。

  • 15世紀。ワラキアの王・ドラキュラ公はトルコ軍との戦いで奇跡的に勝利をおさめる。だがドラキュラ公戦死の偽情報をうけ、妻のエリザベータが城から身を投げてしまう。
  • エリザベータの死をドラキュラ公は嘆き悲しみ、神に復讐を誓い吸血鬼になる。
  • 約400年後、ドラキュラ伯爵に招かれ、ジョナサン・ハーカーが城にやってくる。
  • ドラキュラ伯爵はジョナサンを監禁し、自らは渡英。ロンドンでエリザベータに生き写しのミナ(ジョナサンの婚約者)と出会い、彼女を付け狙う。
  • ミナもドラキュラ伯爵に心惹かれ、自分が前世で彼の妻だったことを思い出す。そして自ら望んで彼の血を飲む。
  • ロンドンでミナの親友ルーシーの血を吸った伯爵。衰弱するルーシーのため、彼女の婚約者がヴァン・ヘルシング教授に助けを求める。
  • ルーシーの衰弱の原因が吸血鬼であると指摘するヘルシング教授。手を尽くすがルーシーは吸血鬼になってしまい、教授たちに退治される。
  • 吸血鬼狩りを決行するヘルシング教授一行は、城に戻るドラキュラ伯爵を追いつめる。ミナも深手を負った伯爵を追う。
  • 城にたどり着くも瀕死の伯爵。ミナは伯爵の胸に杭をうち、彼の最後を看取る。

原作小説を読んだことがないので、残念ながら正確な元のストーリーは分かりません。

ですが調べたところによると、ドラキュラ伯爵とミナが前世で夫婦だったという設定は、どうやらコッポラ版オリジナルみたいです。

この伯爵とミナの設定が個人的にとても好きでしたし、伯爵の哀愁を際立たせる要素になっていました。

あれも愛、それも愛、これも愛、すべて愛

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振り返ってみると、本作は「愛の物語」だったなぁと感じます。

そもそも伯爵が吸血鬼になったのが、妻を失ったことに対する深い悲しみと神への怒りから。まずスタートが愛です。

おのじ

良いか悪いかは別として、自分が変貌してしまうほど人を愛せるってすごい事だよね。

そこまで深く他人を思えるのは幸せなのか?不幸なのか?なんてちらっと思ったり、思われる側にもそれ相応の覚悟が…なんて、完全に余計なお世話なことも感じましたが、それは置いておきます。

そんな伯爵の深い愛情は、妻の死をきっかけに神への強い怒りに変化。そして彼を怪物に変えてしまいます。ここが刺さる。

おのじ

愛ゆえに、という感じがたまらなく好き

そして伯爵は、400年後に妻の生まれ変わりであるミナと出会います。

彼女をつけ狙う伯爵と、伯爵に心惹かれてゆくミナ。

伯爵はミナを自分と同族にしようとするも、愛する女性を吸血鬼にすることにためらってしまうんですよね。ここにも愛を感じる。

このシーンの人の心を捨てきれていなかった伯爵が好きですし、記憶を取り戻して、伯爵への思いが溢れるミナもとても良かったんです。

だけどミナには婚約者のジョナサンがいる…。という微妙な三角関係。これもまた良い~~…。

このままひっそり、ミナと伯爵二人で逃げてほしいなぁ…なんて思いましたけど、そうは問屋が卸さない。ヘルシング教授が卸さない。

吸血鬼討伐に乗り出したヘルシング教授たちに追われ、自分の城へと逃げかえる伯爵。

ついには深手を負い城の中に逃げ込んだところで、愛するミナにとどめを刺してもらいます。

死に際に伯爵がだんだん人間に戻っていくんですけど、その時のなんともいえない穏やかな表情が切ない。

そしてミナの心中を思うと…。

おのじ

うぅぅぅぅ~~~~!

コッポラ版ドラキュラは、ゴシックな世界観の中で描かれる、愛で始まり、愛で終わる物語でした。

魅力的だったな。

エロティシズム

強烈によみがえってくるシーンの代表だったのが、伯爵の手にかかるミナの親友・ルーシーのシーン。

彼女が夜中にふらふらと庭園に出て行ってしまって、ミナがその後を追うんですよね。

ルーシーを追った先でミナが目にするのが、狼人間(に変化した伯爵)にルーシーが凌辱されている場面なのです。

このシーンでは、見てはいけないものを見てしまった…という背徳感を感じてしまいます。

だけど幻想的なエロティックさが演出されていて、目が離せなくなるほど、なんとも言えない美しさがある。

だからついつい見入ってしまって、なんなら今回は巻き戻しまでして見てしまって。

さらに背徳感。

1回目の鑑賞当時に学生だった私は、いたく衝撃を受けたんだろうなぁ思います。

おのじ

1回目の鑑賞時の状況覚えてないんだけど、両親・祖父母がいない状況での鑑賞だったと信じたいのよねぇ。

見たら忘れられない、あの衣装

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もう一つ忘れられないのが、ルーシーの花嫁衣裳です。

本作はアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞。なるほど、どの衣装も綺麗で独特でうっとりしちゃうので、納得です。

その中でも特に異彩を放っているのがルーシーの衣装。なんとも不思議なデザインでゴシックな世界観にあっていて、だけど異世界な印象も感じさせてくれて、とにかく大好き。

吸血鬼になってしまったルーシーが無機質な白い肌にこのドレスをまとう姿は、恐ろしいほど綺麗なのに異様。はぁ~素敵。

何気なくデザインについて調べていたら、衣装担当はは石岡瑛子さんという方。

日本の方がデザインされてたんですね。有名な方のようなんですが、恥ずかしながら私は今回初めて知りました。

2020年11月~12月まで石岡さんの回顧展が東京で開催されていたようなんですよね。行きたかったなぁ。

めくるめく衣装の数々、見たかったなぁ~。

おわりに

以上、コッポラ版『ドラキュラ』の感想でした。

本作は一気に古典ホラーと幻想の世界に引き込んでくれる魅力的な作品です。

若きウィノナ・ライダーとキアヌ・リーヴスも見れてとっても懐かしい気持ちにもなれますし、しれっと司祭とヘルシング教授の2役で出ているアンソニー・ホプキンスもさすがの貫禄。(初見で気づいた人すごいと思う。)

そしてやっぱり、ゲイリー・オールドマンが素敵です。

正直今までファンというわけでもなかったですし、彼が出演している作品もあまり見たことがありませんでした。

ですが本作をきっかけに、彼の出演作を色々見てみようかな~と計画中です。

おのじ

それではまたね。

作品情報

原題 Bram Stoker’s Dracula
製作年 1992年
製作国 アメリカ
上映時間 128分
監督 フランシス・フォード・コッポラ