どうも、おのじ(@ozy_san_0624)です。
さて、コロナで不要不急の外出自粛を始めてから、しばらくたちますね。
皆さんいかがお過ごしですか?
私はといえば、実はコロナが流行しててもしてなくても、休みの日にしていることは基本的に同じです。
- 家にこもってVOD三昧
- ネットサーフィン
もともとほとんどの時間を家で過ごしていた、生粋のインドア派の私。
それでもやっぱり「引きこもらざるを得ない」のと「自主的に引きこもっている」のとでは、かかってくるストレスが違うなぁと感じています。
今は「映画を観よう!」という意欲がやや下がってきているし、観たとしてもストーリーが頭に入ってこない時が多い。
これは確実にストレスのせいだろうなと思ってます。
じゃあそんな私が今、映画を観る代わりに何をしているのかっていうと、
コロナ流行前と比べると、台所に立つ時間っていうのが格段に増えてまして。
クックパッドを見る時間もそれに比例してめちゃくちゃ長くなってる。
レシピをアップしてくださっている主婦の皆さんは、ほんとに偉大。
料理下手の大食いな人間が、確実に一人救われているんですからね。
しかし食べまくってしまう今の状況、ストレス反応なんだろうか。
ストレス反応なんでしょうね。
それ以外に何があるってんだ。
…なんて考えながら、ツナとトマトのパスタを食べつつブログを書いている今。
ところで、食べ物は私の胃袋は満たしてくれても、心までは癒してくれません。
胃が満たされたら、次は心も満たされたいじゃないですか。
できれば、手軽にときめきを摂取できるものが良い。
そんな私が観たのが、Netflixオリジナルドラマ『彼岸の花嫁』です。

冥婚がテーマのドラマですが、そこまでガチガチに怖くはなく、ホラー風味のラブコメディです。
少女漫画要素もあってときめきを味わえるドラマになっていますし、全6話という短め構成で見やすいのも魅力。
極めつけに良いのが、
どう転んでも3人の素敵ガイのうち誰かが受け止めてくれる
という夢のような仕様であること。
脳内をお花畑にしてくれる彼岸の花嫁、ぜひご覧あれ。
※ネタバレ注意です。
Contents
彼岸の花嫁:あらすじ
1890年代のマラッカ、資産家の性悪な息子が謎の死を遂げた。リーランは死の背後にある深い闇へと引きずり込まれ、亡者たちが住まう死後の世界に足を踏み入れる。
引用:Filmarks
『彼岸の花嫁』は、中国系4代目マレーシア人作家Yangsze Choo(ヤンシェ・チョーで読み方合ってるのだろうか。)の作品「THE GHOST BRIDE」が原作です。
アメリカでヒットした作品のようですね。
彼女の次作「THE NIGHT TIGER」も高評価を得ていて、ぜひ読みたいところです。
なのに日本語翻訳版がないぃぃぃ。読みたいぃぃぃ。
冥婚ってなに

冥婚というのは死者の結婚(生者と死者、死者同士など)のこと。
日本だと、ムカサリ絵馬という風習が冥婚に当てはまるのだとか。
若くして独り身で死んだ者のために、架空の花嫁との結婚式の様子を絵馬に描いて奉納する。
こうすることによって、半人前だった我が子を一人前にして送り出し供養するという意味があるのだそうです。
対象は未婚で亡くなった男性がメイン。
どちらかというと、遺される家族への慰めという意味合いが強いのでしょうかね。
知ってる人も多いだろう台湾の冥婚は、日本と比較すると結構過激。
台湾の冥婚は、未婚で亡くなった女性がメイン。
昔の台湾では、女性が未婚で死ぬと成仏できずに災いをもたらすと考えられていたので、そうならないように冥婚が必要だったのだとか。
どうやって冥婚の相手を見つけるのかというと、遺族が道端に、死んだ娘の遺髪やお金を入れた赤い封筒を置くのだそうです。
それを男性が拾うと、隠れて様子を見ていた遺族が現れる。そして、死んだ娘との冥婚を強要されるのだそう。
断るのは不吉な事とされているって話もあるから、断るに断れないんだろうなぁ…。
だけど冥婚で運気が上向きになるとか、死んだ娘の家から資金援助をしてもらえる、という話もあるそうで、場合によっては悪い事ばかりではないようです。
冥婚した後も、生きている人と普通に結婚できるみたいですしね。
でもやっぱり、何となく嫌ですよね。強制的に死んだ人と縁を結ばされるって。
冥婚が秘めるロマンへのポテンシャル

だけど私は、本作で描かれる冥婚が好きです。なぜかって?
それは異類婚姻譚に感じるのと、同じロマンを感じるから。
ロミオとジュリエットだと、「許されない愛」という部分で燃え上がりますでしょ?
同じく異類婚姻譚(人と人以外の種族の結婚)も、通常は超えられない「種族」という壁を愛で超えてしまう。
そういう所に、胸がキュンとするわけです。
昔話には結構多いですよね。姫と馬の恋愛とか、お相手が竜とか蛇とか狐とか。
でも私が胸キュンするのにはちゃんと条件があります。ただ人外なら誰でもいいだろって節操なしではないのです。一応。
まず二人がちゃんと愛し合っているということ。これが一番大事。
そして花婿の妖しい魅力。やっぱこれですよ。
竜や蛇といった妖怪は、初めのうちは人に化けて、恋する相手と逢瀬を重ねます。
そしてそういう妖怪が人に化けた姿というのは、見目麗しい、魅力あふれる青年として描かれることが多いように思います。
抗えない魅力をもつ相手と愛を育み、二人で種族の壁を乗り越えてゆくところが魅力の異類婚姻譚。
「彼岸の花嫁」も、この異類婚姻譚と同じようなロマンを感じるんですよね。
登場する3人の男性陣が、ロマンに拍車をかける

そして本作は、見事私の嗜好をほぼ満たしてくれる作品でした。
主人公リーランを取り囲む男性陣の素敵さといったら。ハッピー。
本作の冥婚では、花嫁はリーラン(ファン・ぺイジア)で、結婚相手の死者がティアンチンという御曹司になります。
このティアンチンが、どえらくかっこいい。
性根はかなり腐っているんですけど、それでもリーランの事が好きな気持ちはある。若干ある。
ちょっと私が求めるヒロインへの愛情の向け方ではなかったけど、それは後述します。
そしてリーランの相手は、ティアンチンだけではありません。
天の使者アルランと、リーランの幼馴染ティアンバイ。
この2人も、リーランを好きになるという奇跡。
3方どこを向いても素敵な人がいて、どう転んでも誰かが優しく受け止めてくれるという(ティアンチンはちょっと違うか…)、なんとも少女漫画的な夢が詰まった設定になっています。
卑劣な御曹司・ティアンチン

リーランの冥婚の相手ティアンチンを演じているのは、クアング・ティアン(読み方あってるか不安)。
古風で豪華な衣装がよく似合うマレーシアの俳優さんです。
ほかに出演している作品は、台湾BLミュージカル「新社員」。
出典:you tube
しかしほんとにかっこいいな。見惚れるわぁ…。
さて本作ではリン家の性悪御曹司という役どころで、素行の悪さから何者かに毒を盛られて殺されてしまいます。
死後に幽霊となってリーランの前に現れ、彼女に嫁になるよう迫るのですが、もちろんリーランは拒否。
リーランにとっては、イケメンであろうが卑劣な内面を知っているから印象最悪の相手ですし、当然といえば当然ですね。
だけどティアンチンがリーランを好きになった理由が「リーランだけが僕を叱ってくれたから」っていうの、ちょっと可愛いくないですか?
そういうところで私の母性本能をくすぐってくるんだよな。(ダメな人にひっかかるパターン)
なんやかんやあって、一度はリーランとの結婚を諦めたかに見えたティアンチン。
ですが体の弱いリーランの父親が意識不明となり、黄泉の国を彷徨う事態に。
そんな父親を助ける事を条件に、リーランを花嫁として冥界に連れ去ってしまいます。

この美女と野獣的展開、わぁお!良いじゃないですか良いじゃないですか。
だけど残念ながら彼は野獣のようなピュアハートではないので、愛の大切さを学ぶことも、過去の己を反省することもありません。
現世の母親のすねをかじり、供物として手に入れた財を使って、冥界の役人と不正取引。
本来行くべきところの地獄に行かずに、冥界で贅沢三昧をするというね。絵に描いたような悪人ぶりです。
彼なりにリーランに尽くしている様子はありますが、本質が変わらないもんだから、最後までリーランには嫌われっぱなし。
嫌よ嫌よも好きのうち…かと思ったら、本当に嫌われていた。
という、ちょっと可哀そうな役どころです。
これがもしリーランへの愛に目覚めて、己を変えてリーランの愛を乞う…的な展開だったら、ときめき指数は格段に上がったこと間違いなしだったのだけど。
全6話という尺では難しかっただろうし(そもそもそんな設定じゃないだろうし)、あとに2人のライバルも控えてますから。
本作では3番手の悪役で落ち着いちゃいました。
願わくば、もっとリーランへの愛が観たかった。そしてダメ男のうまくいかない恋愛で魅せてほしかったよ。
愛に狂い悶えるティアンチンが観たかったです、私は。
非の打ち所がないヒーロー・ティアンバイ

ティアンバイを演じるのはルーディー・リン。
アクアマンに水中戦士マーク役で出てたらしいです。見直してみたけど、見つけられなかった…。
さて、リーランの初恋相手でもあるティアンバイ。
実は彼もリーランに思いを寄せていて、二人は両想いなんですよね。
なのに、ティアンバイには家の決めた婚約者がいるという。
うまくいかぁん!
これも本当であれば、二人の恋を燃え上がらせる要素になったと思います。
ですがいかんせん、冥婚というインパクトの前にはかすんでしまうんですよねぇ…。
本作に出てくる男性3人の中では、正統派ヒーローなんですよ。
- リーランに優しく接してくれる
- 誠実
- 頭脳明晰
- お金持ち
見よ。この非の打ち所のなさ。
それなのに、男性陣の中では思い入れが一番薄くなっちゃうんですよねぇ。
活躍するシーンも少ないし、リーランとのシーンよりも、ティアンバイの婚約者とのシーンのが多い印象だし。
よって、彼に対する私のコメントも少なめになってしまうという。
ごめんよ、ティアンバイ。
ひょうきんでちょっと意地悪な天の使者・アルラン

天の使者アルラン役は、台湾の有名俳優ウー・カンレンです。
天の使者っていうファンタジーワードがサラっと出てくるところに初めは驚きますね。大丈夫。すぐ慣れます。
冥界があるなら、天もあるよねそりゃ。
アルランは3枚目ポジションで、リーランとは初対面の時から喧嘩ばっかり。
女好きでいつもリーランをからかってくるし、意地悪な事も言ってくる。
そんな、好きな子に素直になれない小学生のようなタイプです。
だけど肝心な時には、いつもリーランを助けてくれるんですよね。
リーランが冥界に連れ去られたと時は、自分の神通力が使えなくなるのを覚悟で追いかけてきてくれたし。
そんな人、秒で好きになっちゃうに決まってるじゃない。
アルランは冥界でぼろぼろになりながらも、リーランの命を助け、ティアンチンと冥界の役人の不正も暴く大活躍。
リーランに対しての恋心を自覚してからの描写も良くて、この2人の関係にはニマニマさせていただきました。
リーランが無事現世に戻り、ティアンバイと結婚することになった時なんて、リーランに気づかれないように彼女を見守るという彼の愛がさ…。
さてこのウー・カンレンさん、映画『屍憶』にも出演していてました。

こちらは台湾の冥婚をテーマにした日台合作映画で、本作と違ってガッチガチのガチのホラー。
そして結構怖いんだこれが。
ウー・カンレンは冥婚作品に縁があるのかしらねぇ。
本作のアルランは3枚目役だったけど、屍憶では落ち着いた2枚目の主人公を演じていて、全く印象が違いますよ。
観てると彼にホの字になること請け合い。

どっちかといったら、私は屍憶のウー・カンレンの方がタイプです。
クールなのに、婚約者にだけ見せる優しががたまりませんでした。
あ、だけど実際に好きになるのは、アルランみたいなタイプなんだろうなあって思います。…って何の話をしているのか。
さいごに
以上『彼岸の花嫁』の感想でした。
一番推したいのは
- 気楽に見れるストーリー
- 登場する3人のヒーロー(うち一人はアンチヒーローだけど)
- 胸キュンの展開
この3つですが、実はマレーシアの風景や、登場する屋敷のインテリアも素敵で見どころです。
衣装もとっても素敵ですしね。
マラッカのブルーマンションなどの可愛らしい建造物には胸が躍るし、食文化も調べていたらよだれが…。
あぁ、マレーシア行ってみたい。
海外旅行で行きたい国にリストインしときます。
作品情報
原題 | The Ghost Bride |
---|---|
製作年 | 2020年 |
製作国 | 台湾・マレーシア |
話数 | 6話 |
監督 | クエック・シオ・チュアン |