映画「サイレンス」を見ました。
耳の聞こえない女性ライターが、自宅でサイコパス殺人鬼に襲われ、命をかけて対決するお話です。

設定はすごく面白いです。
この映画を観ようと思った決め手も、あらすじを観てその設定に惹かれたから。
ただ、演出をスリルと受け取れるか、受け取れずにイライラしてしまうかで、評価が分かれる作品だと思います。
私は残念ながら後者でした。
- 〇リアルな緊迫感・ままならない状況を楽しみたい人にはおススメ。
- Xイライラしやすい人は、見るとストレス溜まっちゃうかも。
- スリル
- 設定の良さ
- 演出
- 総合
それでは感想いってみます。
※ネタバレ注意です。
Contents
【映画】サイレンス:あらすじと作品情報

原題 | HUSH |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2016年 |
上映時間 | 81分 |
監督 | マイク・フラナガン |
人里離れた森の中に移り住んだ耳の聞こえないライター。ある日、覆面をした殺人鬼が窓の外に現れ、命をかけて立ち向かう事に…。
引用:Netflix
主人公の名前はマディー。
家の近くに、友人のサラとその彼氏が住んでいる設定でした。
サラは殺人鬼に殺されてしまい、サラを探しにきた彼氏もまた、殺されてしまいます。
カギをかけた家の中と外で、マディーと殺人鬼の攻防が繰り広げられます。
【映画】サイレンス:感想

殺人鬼の存在に気づけない恐怖
自分の後ろに殺人鬼が立っている。
安心できるはずの自宅で、こんな状況になったらと思うとゾッとしますよね。
この映画「サイレンス」では、序盤で殺人鬼が自宅に侵入してきます。
普通なら気づける状況でも、マディーは耳が聞こえないので気づけない。
観ている側が、
とやきもきする事間違いなしです。
「背後に殺人鬼がいるのに、耳が聞こえないために気づけない」という設定は、すごく良かった!
かなりハラハラさせられますし、今後の展開も一体どうなっていくの!?と序盤でがっつりハートをつかまれます。
あまりにもマディーが気づかない
設定の良さで急上昇した期待ですが、上がったテンションは段々降下していくことになります。
背後をうろつく殺人鬼に、マディーがあまりにも気づかなさすぎるからです。
まさか自分の家に他人が侵入するなんて思わないから、ある程度気づけないのは仕方ない。
だけどマディーは不自然なほど感じません。
て、徹底的すぎない…?(震)
妹とのビデオ通話中に「ねぇ、後ろにいるの誰?」って妹が言っても、「猫よ~」と言って確認すらしません。
心の中で「いやいやいや…」と突っ込む人は私だけではないはず。
無防備、ダメ、絶対
そもそも、どうして犯人はマディー宅に侵入できたのか?
それは、マディーが1階の窓を開けっぱなしにしていたからです。
世の一人暮らしの女性に問いたい。
女性の一人暮らしで、夜に1階の窓全開にするって。そんな事します?
しかも開けた窓から目を離すって、そんな事します?
そんなことするなんてありえない!無防備すぎるわ!って思ったあなた。
マディーに防犯意識ってやつを教えてあげちゃくれませんか。
マディーがあぶなっかしすぎて、「そら危ない目にもあうよ!」という心境になっちゃうんですよね。
映画序盤でこの流れは厳しいです。
登場人物に共感できるかどうかって大切。
でもマディーがこんな無防備さでは、共感するのが中々難しい。
実際私も、共感するどころか心配ばかり。
という気持ちになりました。
犯人が不気味。意外と賢い。
侵入してきた殺人犯は、せっかく気づかれていないのに、わざわざ自分の存在をアピールします。
それはマディーを精神的にも追いつめて楽しむため。
なんと卑劣な。
この犯人が仮面をかぶっていて、不気味な雰囲気を出していたのがすごく良い!
と思った直後、その仮面を取ってマディーに素顔を晒してしまいます。
何でや。
仮面がなくなってしまって、せっかく「得体のしれない殺人鬼」だったのが一気にただの変質者になってしまった感じ。
顔が見えないとか正体が分からないって、観ている側にもすごく不安感を与えるからホラー効果抜群だ思うんだけどなぁ。
素顔を早々に晒してしまったのは、すごくもったいなかったです。
さて、この犯人。
見た目はただのチンピラなのですが、意外と賢い。
バカみたいな失敗するんだろうな、なんて思っていたけど(失礼すぎる)そんな事しない。
電気を使えなくしたり、ネット回線抜いたり、外に停めてある車を壊したり。
着々とマディーの退路を断っていきます。
どっちかというと、ミスを犯しているのはマディーの方ですね。(もうちょい頑張れ)
犯人によってマディーが圧倒的に不利になっていく過程は、観ていて焦りを掻き立てられました。
時々入る、「無音」の演出
通常時は音がありますが、時々無音になるシーンがあります。
これはマディーの世界を表現しているもの。
マディーの状況をリアルに体験している感覚になるので、この演出すごく良かったです。
ついついマディーの行動にやきもきとしてしまう本作。
ですがこのシーンが入ると「マディーの世界ってこんな感じなんだ」と少し理解できます。
逃げるために犯人から身を隠してしまうと、相手の動きも把握できなくなる。
気づかれていないのか、追ってきているのかも分からない。
良い意味でのジレンマを感じさせてくれます。
助かりそうな機会をフイにしてしまう事、あるよね
設定や音の演出は良いのですが、「なぜ!?」と思うマディーの行動が多々あるのが、観ていて辛い所です。
映画中盤でサラの彼氏が登場し、犯人を逆に襲おうとするんですよね。
この彼氏がマッチョで強くて、取っ組み合いになっても犯人に余裕で勝てそうな人なんです。
その彼氏が犯人に飛びかかろうとした瞬間、マディーが窓をバンバンと叩き、サラの彼氏の注意を自分に引き付けます。
結果、犯人がそのスキを突いて彼氏を殺してしまいます。
マディ----------!?!?!?!?
助けを呼ぶタイミングが完全に悪かったこのシーン。
もう逆に狙ったとしか思えない。
サラの彼氏になんか恨みでもあるの?
死んでほしかったの?
このシーンで「もう少しで助かったのに!」っていうやきもき感を演出したかったのか?と予測はできますが、それは失敗だとしか思えない。
ホラー映画の、ドキドキさせるための演出やタイミングって、本当に難しいんですね。
常にイライラと紙一重。
批評家からの評価は良い
私には疑問点の方が多かった「サイレンス」。
ですが、Rotten Tomatoes(映画評論家のレビューをまとめたアメリカのサイト)では評価がかなり良いようです。
ま、まじか!!
耳の聞こえない演出シーンが評価されたのかな?
まとめ
以上、映画「サイレンス」の感想でした。
この映画の見どころは、
- 殺人鬼がいる事に気づかない。ハラハラする恐怖演出
- 時折入る「無音」の演出で、主人公の状況をリアルに体験
この2つです。
面白い演出と設定ですが、同時に疑問点も数多くある映画でした。
なんだかんだツッコミしながら見れたので、ある意味楽しめましたけどね!
同じく女主人公が殺人鬼に立ち向かう映画ならば、個人的には「サプライズ」の方をおすすめします。
それではまた!