どうも、おのじ(@ozy_san_0624)です。
死霊館ユニバースの最新作『アナベル死霊博物館』が公開されたので、私もいそいそと見に行ってきました。
今回のアナベルは、言うなれば観るお化け屋敷といった感じ。

死霊館ユニバースは、本編『死霊館』『死霊館エンフィールド事件』、そして、本編に登場する悪霊たちに焦点を当てたスピンオフ作品で構成されています。
スピンオフ作品では、今までに「アナベル」「ヴァラク」「ラ・ヨローナ」といったキレッキレの悪霊達がスポットを浴びてきました。
本作の主人公は再び、というか三度目のアナベル。
(1作目『アナベル 死霊館の人形』、2作目『アナベル 死霊人形の誕生』、そして今回の3作目『アナベル 死霊博物館』)
アナベルだけで3作品とはすごい。
さすが死霊館シリーズのホラーアイコン。アナベルがいかに人気なのかが垣間見えますね。
というわけで、今回は『アナベル 死霊博物館』を観た感想を書いていきます。
死霊館シリーズ、大っ好きだわぁ~。
※ネタバレ注意です。
Contents
あらすじ
超常現象研究家ウォーレン夫妻の家に、強烈な呪いをもつ一体の人形が運び込まれた。その人形の名は、アナベル。アナベルは地下の”博物館”で、他の呪われた品々とともに厳重に封印された。夫妻が仕事で家を空ける、ある日。娘のジュディは年上の少女のメアリー、ダニエラの3人で一夜をすごすことに。しかし、ダニエラが”警告 決して触るな”と書かれた博物館に勝手に入り込み、アナベルの封印を解いてしまう。それは、少女たちの想像を絶する悪夢のはじまりとなった……。
引用:『アナベル死霊博物館』公式サイト
今回のアナベルはお化け屋敷のボス

ウォーレン夫妻の娘ジュディ、ベビーシッターのメアリーエレン、メアリーの友人ダニエラ。
彼女たちの恐怖の一夜を描いているのが本作『アナベル 死霊博物館』です。
今回の目玉は何といっても、ウォーレン家の地下に保管されている呪いの品々。
それに憑りついた悪霊たちがアナベルの存在で活性化され、ウォーレン家はまたたく間にお化け屋敷へと変貌。よりによってウォーレン夫妻がいない状況で、悪夢の一夜がジュディたちを襲います。
実は本作、タイトルに「アナベル」と銘打っている割りには、アナベルの出番は少なめです。
予告映像でジュディの布団に潜り込むアナベルのシーンがありましたが、活躍といえるのはそのシーンくらい。
今回のアナベル人形は、「呪われた品々のボス」という立ち位置で、悪霊の活性化装置としてジュディたちを苦しめるのです。
アナベルについて深く触れていない本作ではありますが、「今作が死霊館ユニバースのデビューだよ!」っていう方は楽しめないのかといえば、そんな事はありません。
そこがまた素晴らしい。
映画冒頭で、
- アナベル人形がどんな人形なのか
- なぜウォーレン夫妻の手に渡ったのか
が描かれているので、他作品を見ていなくてもすんなりとストーリーに入れます。
本作をきっかけに死霊館シリーズを楽しめる作りになっているのは、さすがだなと思いました。
ドッキリびっくりのお化け屋敷展開

呪われた品々が保管されている、ウォーレン夫妻の地下博物館。
そこには過去シリーズに出てきた品もあれば、本作で初めて見る品も。これらの品が、アナベルにインスパイアされて一斉に動き出します。
それだけでもうワクワクしますよね。
そして今までの死霊館シリーズにはないこの展開、ジェームズ・ワンが「アナベル版ナイト・ミュージアム」と言っていた通りで、実際とても面白いです。
それでは、登場する悪霊たちをちょこっとご紹介しますね。

ジュディを襲うウェディングドレスの霊は、まずビジュアルが良いんですよ。
身を包む白いドレス、ヴェールで隠れた表情、手に握られた大振りの包丁。
そんな人(幽霊)が自分の家の中をうろついているなんて。しかも神出鬼没でいつ現れてもおかしくないだなんて。恐怖で発狂するね。
そしてまた登場の仕方が怖い。
部屋の外をゆっくりと周回し、ふと視線を移動させるといつの間にか正面に…!という、相手をいたぶるような出現シーンは、分かっていてもビクっとしてしまいます。
同じような演出が『死霊館のシスター』のヴァラク出現シーンにも使われていたんですよね。この手法はかなり効果的です。私を怖がらせるのに。

そして目にコインを乗せた霊たち。
なぜコインなんかを目に乗せているのかというと、この世からあの世へ旅立つときの船賃に使うため、遺体の目の上にコインを置く習わしがあったからだそうで。
その霊たちが暗闇の中にあらわれて、物も言わずにじっと立っているんですよね。コインだけがぼんやり白く闇に浮かび上がるのがまた不気味です。
彼らの何が一番怖いって、やっぱりコイン。本来目の上にあるはずのないものが置かれているっていう違和感に、とても不安にさせられます。
それに、目が見えないというのが単純に恐ろしい。
どこを見ているのかも分からず、表情も読めないという不気味さ。
だったらいっそ顔全部隠しておくれよ、と感じてしまうのは私だけではないはず。
一部が隠れていることで恐怖が倍増する、ホラー版チラリズムが映画館で起きてましたね。チラリズムの意味が違うか。どっちかと言えばホラー版着エロ。

お次はちょっと先の恐ろしい未来を映し出すテレビ。
地下博物館に閉じ込められたダニエラが、このテレビで少し先に自分が体験する恐怖現象を見させられてしまいます。
このテレビは、密室(しかも周りは呪いの品だらけ)でこそ威力を発揮しますよね。
先に起こることが分かったとしても、閉じ込められていて逃げ場がないので、手の打ちようがないんですから。
精神的なプレッシャーとしては、実はこのテレビが一番なんじゃないでしょうか。
こんな風に、本作では様々な悪霊達が見られるのが楽しいポイントのひとつ。
じわじわした怖さではなく、映像やBGMでドキッとさせる恐怖演出なのがまた「見るお化け屋敷」としてぴったりだなぁと思いました。
だけどもっと知りたいのが人情
面白いと思うと、やっぱりそれぞれの悪霊たちのバックボーンとか知りたくなりますよね。
でも残念ながら、本作ではそれは明かされません。
ウェディングドレスの霊や鎧の霊の過去がすごく気になるのに…!うーん、知りたい。
やっぱり出てくる悪霊の数が多いので、悪霊1体につき濃度は少なめ。ストーリーの構成上、それは仕方がないのですがね…。
そして今回死霊博物館に出た呪いの品たちは、今後本編でピックアップされる可能性はないのでは?と思います。
だからこそ、本作で博物館の品々にスポットライトを当てたのではないでしょうか。
シリーズで珍しく「テンプレ行動」をとったダニエラ

ホラーにおけるテンプレ行動って、第3者から見て状況が悪化するのは目に見えているのに、その行動をとってしまうことですよね。
やるなと言われていることをやったり。
面白がって霊を刺激したり。
忠告を無視し、逃げ時を失ったり。
大体そういうキャラクターは視聴者のひんしゅくを買いますが、そのおかげでストーリーが一気にホラーに向かって展開していくので、大事な役割であることも確かです。
そして映画を観ていると、テンプレ行動は、邦画ホラーよりも洋画ホラーに多いように感じています。
死霊館シリーズは洋画ホラーですが、このテンプレ行動が少ないんですよね。なので、見ていてとってもストレスフリーなのも好きなポイントだったりします。
ところが。
本作では死霊館シリーズに珍しく、やるなと言われていることをやってしまうキャラクターが登場します。
それが、ダニエラです。
ウォーレン夫妻が不在になるため、シッターを頼まれたメアリーエレン。
彼女の友人であるダニエラは、メアリーエレンがウォーレン夫妻宅にシッターに行くことを知り、強引に押しかけます。
そこで入るなと言われているところに入り、触るなと言われているものに片っ端から触ってしまうのです。
アナベルを封印していたガラスケースから出したのも、もちろんダニエラの仕業。
いわば、ジュディやメアリーエレン、メアリーエレンのボーイフレンドを巻き込んだ恐怖の一夜は、ひとえにダニエラのせいなのです。
ただのテンプレ行動で終わらせない。そこが良い。
これだけ見ると、こう叫びたくなるところです。
ですが本作を最後まで見ると、ダニエラを許せてしまうという、そういう作りになってるんですよね。
ここの流れがすごく好きでした。
序盤は自分勝手な印象が強いダニエラですが、ジュディの悩みに真剣に向き合って元気づけてくれるシーンでは、悪い子じゃないんだなという事が分ります。
博物館に無断侵入したのも、事故で死んでしまった父親に会うため。それにラストでは、素直にロレインに今回の件について謝罪していますしね。
テンプレ行動で悪霊を呼び寄せながらも、結果的には憎めず、それどころかちょっと肩入れしてしまうキャラクター。
それがダニエラなのです。
そして、そんなダニエラにロレインがかける言葉。そこで不覚にも涙ぐんでしまったのは、私だけではないはず!
見終わった後には、こう叫びたくなるはずです。
死霊館シリーズというと「家族愛」が1つの要素になっていると思うのですが、今回もダニエラを通して見せてもらえましたね。
ホラーなのに最後にはうるっとさせてくれる映画って、なかなかありません。
この死霊館シリーズの「お約束」は、今後のシリーズでも引き継いで欲しいなぁと思う部分です。
実際にあった怖いはなし

さてホラー作品といえば、撮影中の怪奇現象もお楽しみのひとつ。
死霊館シリーズではセットに司祭を招いてお清めをしてもらっているそうですが、それでもやっぱり怖い出来事が起きてしまったようです。
公式サイトによると、
- 施錠されているスタジオ。その中のセットであるピアノの椅子が、夜中の間に勝手に動いている。
- 取材に訪れたジャーナリストの腕時計が誤作動をおこした。一度に何時間もとんだりしたが、次の日には正常に戻っていた。
こんなことがあったそう。
そしてなんと、ジュディ役マッケナ・グレイスも恐怖体験をしていました。
- トレイラーで、原因不明の停電がおきた。ずっと閉まっていたドアが気づくと開いていた。
- ロケ中に、空っぽの部屋の中で眠っている人影を見た。
- ロケ終盤でプレゼントされたロザリオをつけていたら、十字架部分が突然外れて落ちた。
- アナベル人形と写真を撮ろうとすると、必ず真っ黒の写真になった。
- パトリック・ウィルソンと写真を撮った時、彼の付けている十字架の上が黒くなり見えなくなった。
やっぱりホラー映画の撮影となると、撮影中の怪奇現象は逃げては通れない道。
やっぱり呼び寄せちゃうってことなんでしょうか。
ホラー好きだけどビビりという矛盾を抱えている私としては、ちょっと刺激が強いエピソードでした。
本作のちょこっと嬉しいシーン。本物のアナベルが…!?

死霊館関連作品は、序盤やラストにシリーズ内の作品とのリンクがちょこっと入れられています。
シリーズファンがにやっと出来る要素ですよね。
今作でも、ちゃんとありましたよ。
劇中に出てくるアナベル人形は、かなりビジュアルに気合が入っているといいますか。かなり極悪な仕上がりになっています。
そしてそれは、悪魔が憑りついているからそんな見た目になってしまったのではなく、作られた当初からそのデザイン。それに一番驚くんですけど。
劇中の登場人物がアナベルのデザインについて特に触れないこと、アナベルを生み出した人形師のセンスどうなの?ということ。
それこそが、この作品一番のホラーかもと思い続けています。
話がそれましたが、本物のアナベル人形は、劇中に出てくるアナベルとは似ても似つかない、2~3頭身サイズのファンシーな見た目をしています。
その可愛らしい方のアナベル人形が、ジュディが見ているテレビ番組の中でちらっと出てくるんですね。(本物ではなく、同じ見た目の別の人形です)
こういう仕込み方をしてくるなんて予想外だったので、見つけた瞬間に一気にテンションが上がりました。
アナベルについて知っている人じゃないと気づけないポイントだと思うので、完全にシリーズファン向けのサプライズだと思います。
こういうサービス精神、嬉しいですよね。
さいごに
以上、『アナベル死霊博物館』の感想でした。
今回アナベル人形単独で来日し、宣伝もしていた本作。気合入ってましたね。
ストーリーに少し物足りない点はあるものの、ラストは感動させてくれるし、良い締めくくりだったと思います。
2020年には本編『死霊館』の第3作目も製作が予定されていますし、まだまだ今後も楽しみな死霊館シリーズ。
来年の公開を楽しみに待とうと思います。
ではではまた。