タイトルが「恐怖ノ」で始まるホラーシリーズがあります。
その中でダントツに面白くて、私がおススメするのがこれ。
「恐怖ノ黒電話」です。

- ホラー度
- 演出
- 太刀打ちできない度
- 総合
序盤は直接的なホラー表現が少なく、主人公がじわじわと追いつめられる様子がとても怖いです。
自分に危害を加える相手が過去にいるのだから、どうにも太刀打ちが出来ない。
ジャパニーズホラーにも似たじめじめ&じわじわ感があります。
自分を苦しめる相手が、幽霊ではなく人間というのも面白かったです。
それでは、感想を書いていきます!
※ネタバレ注意です。
Contents
恐怖ノ黒電話:作品情報とあらすじ

原題 | The Celler |
製作国 | イギリス |
製作年 | 2011年 |
上映時間 | 91分 |
監督 | マシュー・パークヒル |
離婚したことをきっかけに、マリーは環境を変えようと、あるアパートに引っ越しをする。その部屋には、すでに回線の繋がった古い黒電話が据え付けられていた。やがて、この黒電話に謎の人物から連絡が入る。これに続いて連続する怪事件。果たして、電話の主は誰なのか…??
引用:Hulu
恐怖ノ黒電話:感想

恐怖の正体は?姿が見えない相手から追いつめられる恐怖
主人公・メアリーを追いつめるのは、ずばり言うと電話の相手・ローズです。
離婚をきっかけに、アパートで一人暮らしを始めたメアリー。
引っ越し先の部屋に備え付けられていた黒電話。
そこにかかってくる電話の相手が、ローズです。
最初は間違い電話かと思い優しく対応していたメアリーですが、それが後々とんでもない事態を引き起こしていきます。
このローズがめちゃくちゃ怖い。陰湿&粘着質&クレイジー。最恐な相手です。
知らない人と話してはいけませんね…。
過去に生きる人物、ローズ
何が一番怖いかって、ローズが現代ではなく、過去に生きている人物だという事。
本来であれば恋人に逃げられて自殺する運命だったのですが、メアリーとの電話をきっかけに歴史が変わり、ローズは生き延びます。
そこから、メアリーに執着し始めるローズ。
メアリーに相手にされないと怒り狂い、何をするか分かったものじゃない。そこが怖いです。
なんて思って見ていたら。
ローズが生きている時代は、メアリーが子供の頃の時代なんですよね。
2人の生きている時代が被ってる。
どういう事かというと、子どもの頃のメアリーに危害を加えようと思えば、ローズはそれがいつでもできちゃう環境にいるんですよね。
ローズの生きている時代ではメアリーは子供ですし、大人であるローズに太刀打ちなんてできません。
過去のメアリーに危害を加えると、それはそのまま現代のメアリーに傷となって反映されます。
ローズはそれを盾に、メアリーが自分から離れないように脅し続けます。
現代でもメアリーに忍び寄るローズ
映画終盤では、現代のローズもメアリーに襲い掛かってきます。
逃げ場のない絶望感がありますね。
なんでこんなにメアリーに執着するんだろう。異性ならまだしも、女性が女性に執着する心理状態が理解できません。
危機一髪の所で、現代と過去のメアリーの協力で何とかローズを撃退。ですが、その代償はかなり大きいものでした。
誰にも良い事がないバッドエンドなのですが、妙に印象に残るので私は好きな映画です。
メアリーを2重に苦しめる。暴力的な元夫・スティーブン
この映画の怖い所。それはローズの他にももう一つあります。
それが、メアリーの元夫であるスティーブンの存在です。
メアリーとスティーブンは、離婚しているのですが、スティーブンは別れてもなおメアリ-に付きまといます。
普通に怖い。重度のストーカーです、この男は。
メアリーに暴力を振るうなんて、最低。
何かにつけてメアリーの家を訪れて脅していったり、家に忍び込んだり、またメアリーを脅したり、家に忍び込んだり。
何回忍び込んでんだ!お前いい加減にしろ!と言いたくなります。
メアリーを取り巻く2重の恐怖ですね。過去からのローズと、現代のスティーブン。
メアリー…。ファイト…。
主人公・メアリーの美しさ
主人公・メアリーを演じるのは、ラシェル・ルフェーブル。
映画「トワイライト・サーガ」では、吸血鬼のヴィクトリアを演じていました。
彼女がとにかく綺麗です。
この映画の映像や演出は、ちょっと古臭い感じがします。
加えてかなり陰気臭く、下手すると「B級?」という感じなのですが、彼女のビジュアルと演技が妙に映画の雰囲気とマッチ。
結果的に、B級感を感じさせない仕上がりになっていました。
薄暗い映像の中での、彼女の薄幸な雰囲気や透明感は素晴らしかったです。
ずっとメアリ-にくぎ付けでした。
ヒーロー役は「トゥルー・ブラッド」でビル役を務めたスティーブン・モイヤー
ヒーロー役を見た瞬間、ビビっと来ました。
ビルだ!「トゥルー・ブラッド」のビルだ!(好きなんです…)
この映画でも、かなりの好青年・ジョンを演じているスティーブン。
優しくて、勇気があって。スティーブンからも、全力でメアリーを守ってくれます。
その包容力、値段付けられませんとも…。
そんなジョンですが、ローズに過去で殺されてしまいます。
ローズからメアリーを守ろうとして、ジョンの素性がローズにばれてしまったんですね。
メアリーの一見突拍子もない話を信じて、本気で心配してくれていた唯一の味方だったのに…。悲しすぎる…!
ローズの異常さが際立つシーンでした。
過去で殺されてしまったジョンは…
過去で殺されてしまうと、現代では存在しなかったことになってしまいます。
ジョンが存在していた事を覚えているのはメアリーだけ。
ほかの人達の記憶からは消えてしまうのに、メアリーだけ覚えてるのは何で?って思っちゃいましたが、それは置いておいて。
ジョンがこの世に存在しないんだと気づいてしまった時、メアリーの頭を巡ったジョンとの想い出シーンが切なかったです。
不覚にも涙しました。
こうなるって分かってたらさ、電話でスティーブンの名前、ローズに言っとけば良かったのになぁ~…って…。
はい。それは言いっこなしですね!
まとめ

以上、「恐怖ノ黒電話」の感想でした。
ホラー要素ももちろん怖かったですが、一番怖いのはやっぱり生きている人間ですね。
ローズもスティーブンも、下手すると現実でも遭遇する危険性があるのが恐ろしい。
実際にこんな人が身近にいたら…と思うと、ぞっとしますよね。
人を見る目って本当に大切。養っていきたいものです。
そして、見ず知らずの相手には絶対に個人情報を漏らさない事。
あれ。防犯のようなしめくくりになってしまいましたが、それはそれで。
ではでは、また。