ミステリー

【次の被害者】凄惨な事件現場がウリと思いきや、ひたすらに泣けるドラマだったので、感想。

どうも、おのじ(@ozy_san_0624)です。

Netflixオリジナルドラマ『次の被害者』を観ました。インパクトある予告映像を見てから、ずっと気になっていたんですよね。

出典:IMDb

本作で扱っているテーマは、「自殺」

それだけに、1話1話がヘビーです。いつものような一気見なんて、とてもじゃないけどできなかった…。

 

本作は1話約1時間、1シーズンのみ全8話。

いつもだったら、1日2日で見終わってしまうくらいのボリュームですが、今回は観終わるまでに2週間ちょっとかかりました。

おのじ
おのじ
2日に1話ペースかぁ。

 

しかもその間、他の映画やドラマに手を伸ばす気持ちになれないくらいというハマりぶり。

5月に鑑賞した作品がめちゃくちゃ少ないのは、ひとえに『次の被害者』のためといっても過言ではないのよね。

 

いやしかし、本当にしんどかった。

 

テーマが重く、その描き方も繊細でとにかく泣けてくる。どんだけ泣いたんだろう、特に終盤。

見るたび泣いてしまうものだから、体力というか精神力ががんがん減ってゆくんですよ。

 

だけどその代わり、観た後の余韻の素晴らしさといったら!

鑑賞後に放心しちゃうくらいでした(泣きすぎもあり)。

むび子さん
むび子さん
これは傑作でした…!

 

序盤の猟奇的な雰囲気に惹きつけられるだけでなく、中盤以降の人間の愛情、優しさ、被害者たちの存在価値にかける思いに、胸を打たれます。

そんな超絶におすすめの、台湾ドラマ『次の被害者』

今日はその感想を語っていこうと思います。

 

おのじ
おのじ
※ネタバレ注意です。

 

『次の被害者』:あらすじ

 疎遠だった娘が連続殺人事件に関与していることを知ったアスペルガー症候群の鑑識官は、危険も顧みず事件解決にすべてを注ぐ。

引用:Netflix

 

『次の被害者』:登場人物

ファン・イーレン

アスペルガー症候群の鑑識官。ジャン・シャオモンの父親。自分のせいで娘が大けがをしのをきっかけに、離婚して家を出る。死体溶解事件に娘・シャオモンが関わっていると知り、事件を追う。イケメン。

 

シュー・ハイイン

特ダネを追う敏腕美人記者。情報を得るためなら、手段を選ばない。警官の弱みを握り、情報の横流しをさせる事もしばしば。ファン・イーレンとともに事件を追う。

 

ジャン・シャオモン

ファン・イーレンの娘。幼いころに両親が離婚。成長してからは、病気の母の治療費を稼ぐため、ホステスをしていた。事件に関与していると思われるが、行方不明。

 

スー・コーユン

かつて人気絶頂の歌手だったが、薬物に溺れ、表舞台から姿を消した。復帰後の新アルバム発売を予定していた矢先に、ホテルの浴槽で遺体が溶けた状態で発見される。

 

ヨウ・チョンハオ

シャオモンが働いていたキャバクラのボーイ。彼女とは仲が良かったようす。シャオモンとともに行方不明になっている。

 

チャン・ツォンジエン

ブラック企業の元社員。会社に酷使されて体を壊す。病気で余命わずかだが、古巣の実態を告発すべく準備をすすめていた。元務め先が管理するビルで、焼死体となって発見される。

 

最初に惹きつけられるのは、猟奇的な事件現場

予告を観ていて一番に目をひかれたのは、衝撃的な事件現場です。

一瞬だけ映る、ホテルの浴槽に浮かんだ溶けた死体。

おのじ
おのじ
うわぁ~~~。これはすごい…。サイコな予感がする!

そんな風に思って視聴したのがきっかけでした。

 

当たり前ですが、本編では予告以上に、溶解した死体の描写ががっつり。

死体が溶ける描写って、今までも海外ドラマで何度かみて耐性はあったつもりだったのですが、もともと溶ける系は苦手なことに加えて、遺体のあまりの存在感に怯みました。

むび子さん
むび子さん
あの溶けてドロっとした質感を出すために、クリエイターさんたちは卵白使ったり、ティッシュをちぎって漬けたりしていたみたいですよ。
おのじ
おのじ
プロってすごい。良く思いつくよなぁ。

 

しかし食事時じゃなくてよかった。そのくらい凄惨だし、リアルな現場でした。

 

それから第2の現場では、被害者が丸焦げの状態で発見されます。こちらも衝撃。

いや、焼死体も溶ける死体も観たことないんだけど、でもすごく現実感のある作りこみ。

クリエイターコメントで「(焼死体は)表面が粉を吹いているように作った」と言っていて、

おのじ
おのじ
焼死体って、表面粉吹いてるんだ…

なんて恐ろしく思ったのは内緒です。

 

ところでクリエイターの人たちって、そういう情報をどこから調達してくるんだろう。

やっぱり実際に写真とか見るのかしら。だとしたら、精神的にかなりきつそう。

カウンセリングとかでメンタルケアしながら作業するのかな。あんまりそういう情報は聞いたことないけど…。

それでメンタル参っちゃったら、労災になるのかな?

え、めっちゃ心配。

むび子さん
むび子さん
さて、話を戻しましょうか。
おのじ
おのじ
あ、やべ。

 

さて、遺体溶解・人体丸焦げの事件現場に、ホラー・ミステリー好きな方は、がっつり心をもっていかれると思います。

不気味さを感じる反面、その芸術的な完成度の高さ。

惚れ惚れしてしまいますよね。

第1話で溶解死体を見せつけてくれたおかげで、無事、本作の世界観にぐぐいっと引きずり込まれました。

おのじ
おのじ
グッジョブだよねぇ。

 

死体が本人ではない?

そんなインパクトあるスタートの本作ですが、ビジュアル頼みのドラマではありませんでした。

嬉しい事に、ミステリ要素もしっかりしていて、面白かったです。

「どうしてこんなことを?」っていう謎のために、見るのを止められない。

 

当初、遺体溶解事件の被害者と見られていたのは、歌手のスー・コーユン。ですが検死の結果、遺体は女性ではなく、男性のものと判明します。

この男性は一体誰なのか?そしてスー・コーユンはどこへ行ったのか?殺人なのか否か。

 

分からないことだらけの状況に翻弄されているうちに、警察はスー・コーユンを発見します。そして彼女を追いかけた先、建築途中のビルで見つけたのが、丸焦げの遺体です。

遺体の近くにはチャン・ツオンジエンという男性のIDカード。

ですが遺体は女性のもので、しかも状況やタイミングからみるに、おそらくスー・コーユン。

おのじ
おのじ
うーん、謎!

 

  • 死んだと思われた人物が実は生きている
  • そして、次の事件現場で被害者として発見される

 

このループに、とても惹かれちゃうんですよね。

交換殺人なのか?自殺なのか?一体なんのために、別人の死体に偽装するのか?

気になりすぎる。

 

1話~3話にかけては、凄惨な事件現場と、このミステリー要素によって、世界観に一気に引き込まれました。

 

生きること、死ぬことを描いたストーリー

本作ですが、目をそむけたくなるような現場を描きながら、随所に優しさを感じるドラマだなぁと思っていました。

 

たとえば各話が始まる冒頭のシーン。

必ず暴力的な描写があるから、いま一度視聴のご検討をしてくださいね~って、毎回表示されるんですよね。

おのじ
おのじ
すごく丁寧だよなぁ。

 

そしてこの第一印象はやっぱり正しかったのです。

サイコなクライムサスペンスかと思いきや、そうじゃなかったんですから。

 

本作は、自殺がテーマになっています。

主人公が被害者の死んだ理由を探るうち、彼らの内面に深く踏み込んでいくんですよね。その過程で視聴者も向き合わされるのが、「人はなぜ、自ら死を選ぶのか。」ということ。

おのじ
おのじ
辛いっ。

 

人には誰にでも、自分自身の物語や、叶えたい望みがあると思います。

私も叶えたいことだらけですし、煩悩の一つや二つや百八つ、持ちまくっています。

だけど本作の被害者たちのように、「自分の望みを叶えるためには、死ぬしかない。そしてそれが、誰かの役に立つ死でもありたい。」という境地は、私には全く想像ができません。

 

でも本作を観ているうちに、彼らの心情に納得してしまうというか、同情してしまうというか。

何となく、彼らが死を選んだ理由が、わかる気がしてしまうのです。

被害者のエピソードを観ていると、自分が生きたことの証明のために死を選ぶ、その切実さを描いたドラマなんだなぁと思いました。

だから胸を打たれるし、本作の被害者たちの願いや思いに、本当に悲しくなるのです。

それしかなかったんだな、と思わされる彼らの境遇に、涙が止まりません。

 

ジャン・シャオモンとの人生と、ファン・イーレンとの父娘関係

このドラマで一番泣いてしまうのが、ジャン・シャオモンの生きざまです。

 

主人公ファン・イーレンの娘であるジャン・シャオモン。

彼女の指紋を事件現場で見つけてしまったことで、ファン・イーレンは事件や被害者たちに深く関わっていくことになります。

 

初めは謎だらけのシャオモンの行動。

ですが大体4話を超えたあたりから、彼女の過去や思惑が少しずつ判明。7話で彼女のクライマックスを迎えます。

 

そしてストーリーの進行に比例して、涙の量が増えます。

 

だって彼女の過去といったら…!

 

シャオモンが幼いころの事故が原因で、母親とファン・イーレンは離婚。ファン・イーレンはそのまま家を出てしまいます。

その後何年も会っていなかった、シャオモンとファン・イーレン。

その間に母親が病気になり、シャオモンはたった一人で母を看病。母の入院費を稼ぐため、キャバクラで働いていました。

死を悟った母親に「海に連れて行ってほしい」と頼まれても、叶えてあげられなかったシャオモン。

そんな中、リー・ヤージュンと出会ってしまいます。

 

シャオモンが母の呼吸器を外すシーン、第7話のクライマックスは、ジャン・シャオモン役の子の演技、BGMもあいまって、本当に号泣ものです。

おのじ
おのじ
今思い出しても泣けてくるんだよ…。

 

被害者たちの自殺した方法は異様でしたが、それもこれもすべては父親に気づいてほしかったから。

そのために、父親が過去に鑑識で担当した事件と、同じ状況を選んだのです。

そんなシャオモンの心境が、また切ないじゃないですか。

 

第7話は、交わることのなかった父と娘が、やっと再会できるシーンなのでね…。

おのじ
おのじ
二人がどんな最後を迎えるのか、ぜひ見届けてください・・!

 

リー・ヤージュンと、シュー・ハイインの出した答え

このドラマを観てしまうと、「生か死か」と問われたとき、死を肯定してしまいそうになります。

だってそのくらい、被害者たちに感情移入してしまうストーリーなんだもの。涙がズビズバなんですよ、ほんとに。特にシャオモンに泣かされる…。

 

そんな中、リー・ヤージュンと、シュー・ハイインのシーンは印象的でした。

二人の価値観は、真逆なんですよね。

 

愛する人が弱り、信念を貫けなくなってゆく姿を目の当たりにしたリー・ヤージュン。

父親が一家心中を図り、母親と生き残った過去を持つシュー・ハイイン。

 

二人とも、「死」を身近に体験し、それが彼女たちの価値観に大きな影響を与えました。

 

リー・ヤージュンは、被害者たちの願いを、彼らの死と引き換えに実現するよう手助けします。そして同時に、それを「誰かのためになる死」にもする。

そうすることで彼らの存在を証明し、同時に彼女自身の生き方も証明していたのかもしれません。

 

対してシュー・ハイインは、死を身近に体験し、父を失ったことで、逆に「生きていてこそ」という強い価値観を得ました。

 

このくらい、二人の出した答え、生き方は違うのです。

 

そんな二人ですが、終盤でリー・ヤージュンにシュー・ハイインが言った言葉が印象的でした。

”被害者たちには死ぬ勇気より、生きる希望が必要だった”

”社会の価値感にとらわれなければ、愛されていると気づけた”

引用:『次の被害者』

この言葉は、正直に言ってしまうと、綺麗ごとだと思います。

だけど心中未遂事件を経験したシュー・ハイインが言うからこそ、意味のあるセリフにもなっていました。

 

シュー・ハイインの言葉を聞くと、訪れなかった被害者たちの未来は、いったいどんなだったんだろうと考えてしまいます。

おのじ
おのじ
ここでまた泣いちゃうんだよなぁ。

 

原作・製作陣について

さて、こんなにハマるドラマを作ってくれたのはどこの組織だ!?ってことで、調べてみました。

製作会社は台湾エミー賞ともいわれる金鐘奨で数々の賞に輝いているGreener Grass Production。

原作は、2105年に刊行された台湾の小説「第四名被害者」

 

製作陣が「インスパイアされた」と言うにとどめている通り、原作小説とドラマのストーリーは、ほぼ別物みたいですね。

そうすると、原作のストーリーもめっちゃ気になるんですよねぇ。

 

調べてみたけど、この「第四名被害者」、日本語翻訳版が現在なし。

またかよぉ。私の読みたい海外の小説、軒並み日本語翻訳版出てないんだよぉ。

おのじ
おのじ
なんでなんだよぉ。

 

2018年には原作の韓国版も出版されていて、韓国で映画化も進んでいるとかいう噂。いいなぁ…。日本でも読みたい…!

ちなみに、監督はビビアン・スー主演の『人面魚 DEVIL FISHI』を手掛けたデビッド・ジュアン。

人面魚も観たいんだよなぁ。早くアマプラレンタル開始されないかしら。

 

ところで今の若い人たちって、ビビアン・スー知ってるのかな。

私の世代は、ブラックビスケッツで知ってると思うんだけど。めっちゃ可愛かったなぁ、ビビアン。

懐かしいわぁ。

 

ドラマ+クリエイターたちのコメント、これに泣く!

本作は、各ドラマのクレジット後に、製作陣のコメントがあります。

 

もうね、これ絶対観て。

 

クレジットスキップしてると気づかないので、ほんとに注意です。

余韻に浸ってると、あっという間にクリエイターコメントがスキップされて、次エピソードにいってしまうからね。

今回ほど、Netflixのクレジットスキップ機能を恨んだことはありません。

 

さて、このクリエイターコメント。

製作陣の言葉一つ一つが、胸に染みるんですよ。

淡々と彼らの作品にかけた情熱やテーマを語るというか。その端々に、彼らの優しさや温かさを感じてしまって。ここでまた泣くわけ。

 

”本作により、死にたがっている人々の声を伝えたい”

引用:『次の被害者』クリエイターコメント

この言葉に、じーんと来てしまった。

それだけじゃなく、彼らの言葉の端々から、いろんな経験(それも辛い方の)してきたんだろうなぁ…とわかる。

だからこそ、作品を通して誰かを救おうとしてくれているんだなぁ、なんて感じられてね。その彼らの意気込みにもまたまた泣けちゃう。

重ねて言いますけど、クリエイターコメントは絶対に観てくれ…!

 

おわりに

以上、『次の被害者』の感想でした。

台湾ドラマって初めて見ましたけど、生と死の繊細な描き方、切ないストーリー、登場人物に感情移入してしまう演出、すべてがハイレベルでしたよね。

生きる事の悲しさや切なさを描きながらも、最後には希望や人の愛情を感じさせてくれた、大好きな作品です。

傑作ですよねぇ、これ。

鑑賞するとにエネルギー消費するから、短期間に観返すことはできないけど。

でも定期的には観たい作品となりました。

そして、主演のジョセフ・チャンがでらイケメンだったなぁ。好きだわ。

これはぜひ、みんなに観てほしい作品です。

おのじ
おのじ
それではまたね~。

 

作品情報

原題 The Victims’Game
製作年 2020年
製作国 台湾
エピソード数 全8話
監督 デビッド・ジュアン